医療法人あとま会
かねみつクリニック

問診で、過活動膀胱の症状が出始めた時期、治療歴、アレルギーの有無などを丁寧に伺います。重症度を判定する「OABSS」という質問票にもご記入いただき、採血や尿検査の結果と合わせ総合的に診断。副作用などで継続的な服薬が困難な場合や、難治性と判断された場合は手術が適応となります。検査で尿の混濁や尿路感染が見つかれば、先にそちらの治療から行います。

ボツリヌス毒素製剤を膀胱内に注入する際の痛みを緩和するため、手術は麻酔を使用して行います。当院では、仙骨硬膜外麻酔という局所麻酔を使用しています。これは膀胱領域だけに狙いを絞って麻酔を作用させるという方法で、下半身麻酔より効き方が穏やかな分、体への負担も軽減できます。麻酔処置にかかる時間は10～15分ほどです。

麻酔後、膀胱鏡という専用の内視鏡を尿道から挿入。生理食塩水を注入して膀胱内部を広げてから、膀胱壁の筋肉に20ヵ所ほど注射針を刺し、ボツリヌス毒素製剤を注入していきます。特にイレギュラーな事態が発生しなければ、処置に要する時間はおよそ10分。麻酔の効き方には個人差があるため、お時間に余裕を持ってご来院ください。

手術後は、院内のリカバリールームへご案内いたします。麻酔から覚めるまで、ベッドで30分ほど横になってお休みください。その後、トイレで実際に排尿を行っていただきます。尿がきちんと出ているか、血尿がないか、残尿量が多くないかなどを確認し、特に問題がなければご帰宅が可能です。ご来院からご帰宅まで、トータルで約1時間が目安となります。

手術から1週間後に、再度ご来院の上検査をお受けください。手術前と同様に、OABSSへの記入と尿の検査を再び実施します。手術前と同じ検査をすることにより、手術の効果を客観的に判断することができます。問題がなければ、次回はそこから2週間後、その次はそこから1ヵ月後と、徐々に期間を空けながら経過観察していきます。